ママ友と良い距離感で付き合う3つの方法

こんにちは。対人関係療法を専門にカウンセリングを行っています、島崎です。

今回はママ友との関わり方についてお話したいと思います。

子どもが生まれて、子どもは可愛くて仕方ない。愛おしい存在なのに…

子育てが辛い…と感じたこと1度はあると思います。

そんな時、同年代のお子さんがいるママと話をすると安心する方いらっしゃいますよね。

しかし中には、初めはママ友ができて安心だったけれど、最近ママ友との関わりが負担…と感じている方もいると思います。

今回は、良い距離感でママ友関係を構築するための方法をお伝えします。

ただし、最後まで読んでいただく前に注意事項があります。

それは、書いてある方法を完璧にこなそうとしないでほしいということです。

人間関係に悩んでいる方は、人に気を遣い、迷惑をかけないように、言いたいことを我慢していることが多いです。

このコラムでは、もっと仲良くなるために頑張る方法ではなく、自分を大切にするためのコツを書いています。

「こう考えなければ」「こうしなくては」と思うと「できた・できなかった」という話になり、自分を大切にするどころか、できない自分にガッカリしてしまいます。

できる時に、できるところから、完璧を目指さず、コツコツ続けていくことをオススメします。

目次

1.共通点探しをやめる
2.時間や、やりとりの多さ等の「形」ではなく「心のつながり」を大切にする
3.気持ちは状況やタイミングによって変わることを受け止める

 1.共通点探しをやめる

私たちは社会的な生き物なので、他者と自分を比べることで自分を評価したり、相手との関係性を判断したりします。

共通点が多ければ多いほど他者への親密性が高まることもあるでしょう。

実際に、ママ友作りでは「子どもが同じ年」という共通点で、一気に仲良くなることもあります。

このコラムでの「共通点探し」は「相手とおなじ経験を探すこと」です。

人は、同じ経験をしている人だと分かり合える気がします。例えば、出産のエピソードは、子どもを産んだ経験がない人よりも、産んだ経験がある人のほうが分かり合える気がします。しかし、子どもを産んだという出来事は同じでも、出来事の中身は人それぞれです。「同じ経験」だけを頼りに話をすると、ズレが生じます。人は、共通点が多いと分かってくれると思い、期待値も上がります。例えば、コロナ禍で立ち合い出産ができた方とできなかった方では「コロナのせいで立ち合いもできなかったから本当に残念だったよね」と相手に同意を求めた時に、相手が「私のところは立ち合い可だったよ」と言われると、苦しさを分かってもらえない気がします。

ママ友であれば、子どもが何人いるか、子どもの成長スピード、夫の育児参加度によって、相手が抱える悩みは違ってきます。その度に、毎回同じ経験を探していると、ママ友との関わりが辛くなります。

実際は、悩んでいることを相手が経験しているかよりも、共感的に話を聞いてもらえるだけで、人は自分の力で答えを見つけていくことができます。

相手が悩んでいる時は、辛い中で頑張っている相手の味方になって、じっくり話を聞くことが、相手の癒しになります。

また、ママ友が話をしているときに「同じ経験ないかな」と探しているよりも、相手の話を聞くことに集中したほうが、聞く側の負担も減るでしょう。

2.時間や、やりとりの多さ等の「形」ではなく「心のつながり」を大切にする

ママ友とのお付き合いの中で、よく聞く不安の1つに「ママ友たちのランチを断ると、仲間外れにされるのでは?」という悩みがあります。この悩みは「自分だけでなく、子どもの友達関係にも影響する可能性があるので、余計断れない」と考える方もいるでしょう。母親として、子どもに迷惑をかけることは避けたいですよね。

しかし、本当に子どもに迷惑をかけることが断れない理由でしょうか。いくら子どもを想っていても、ママも人間なので「できること」と「できないこと」があります。例えば、ママ友とのランチに行きたくても、仕事や介護、習い事など様々な理由で物理的に参加できない場合もあります。子どもが園に行っている間に、家事をしたい人や、お昼寝したい人もいるでしょう。それと、子どもを想う気持ちは別の問題です。

より詳しくランチに行く理由を聞いていくと「一緒にいるほうがなんとなくよいのでは?」「誘ってもらえなくなったら、居場所がない」という理由が見えてくることがあります。

しかし、ランチを断っただけで仲間外れにされるのでしょうか?本当にそのことで仲間外れにされるのであれば、今後もずっと気を遣って過ごさなければいけません。

また「ランチに誘ってもらえなくなったら」というのは「ランチは相手が誘ってくれるもの」と思っているということです。ランチに行きたくなったら、あなたから誘っても良いのです。

相手の立場で考えてみると「嫌だけど行く」というのは、ランチを誘ってくれた相手への誠意がない気がします。

実際は、ランチに行けば仲良くなれて、ランチを断れば仲間外れにされるという形の問題ではなく、その時間をお互いにとって良い時間と思えるかどうかなのではないでしょうか。

どうしてもランチに行きたくない場合は、早めに断ることや「誘ってもらって嬉しいのだけど」と、相手の行動には感謝を伝えつつ「予定があっていけない」「体調が良くない」など、あなたの理由を説明するくらいで良いと思います。当分参加したくないのであれば「行ける時は私からお誘いするね」と伝えておくのも良いかもしれません。

誠意をもってお断りした結果、相手が怒ったのであれば、それは相手の領域の話であり、あなたが背負う必要のないことです。

心のつながりがあるママ友であれば、ランチに行くか行かないかで関係性が崩れることはないでしょう。本当の友達は、会わなくても心がつながっている存在です。

形にこだわらず、お互いにとって良い時間が持てるように、まずは自分の気持ちに目を向けましょう。

3.気持ちは状況やタイミングによって変わることを受け止める

先ほど「相手が怒ったのであれば、それは相手の領域の話」とお伝えしました。それでも、ママ友が怒っているのは良い気持ちにはならないと思います。

ここで知っておいていただきたいのは、気持ちは状況やタイミングで変わってくるということです。

例えば、ママ友がランチを楽しみにしていたのであれば、断られた時に残念がるのは当然のことでしょう。残念な気持ちを表現する方法は人それぞれですから、無理に明るくふるまう人もいれば、あからさまに嫌な顔をする人もいます。

しかし、その怒りがどれくらい続くかというと、実際にランチを断ったことで怒りが一生続く可能性は低いでしょう。

また、ママ友がもともと機嫌の悪い日であったのであれば、あなたが誘いを断ったことで怒っているわけではないかもしれません。

一時的な感情を恐れて、本心が言えない関係では、負担は大きくなります。

「きっと、一時的に嫌な気持ちになるだろうけれど、分かってくれるといいな」と相手のことを信じてみるのもいいかもしれません。

ママ友も1人の人間なので、機嫌が悪い日や人の意見を受け止めるまで時間がかかることもあります。

さて、今回はママ友との関わり方についてお話しました。この方法は、ママ友関係だけでなく、人間関係全般でも役に立つと思います。

少しでも自分の気持ちや時間を大切にできる機会が増えることを祈って。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。