保育園あるある!朝の別れ際の大泣き!どうすれば良いの?

新入園児が多いこの時期、子どもを送りに行くと“大泣き”をしてなかなか離れない子も多くいます。“大泣き”をする我が子を置いていくのは、気が引ける人も多いかと思います。

今回は、朝の別れ際の“大泣き”にどのように対応すればいいのか、子どもの発達から紐解きたいと思います。

目次

1.泣くのはダメなこと?
2.子どもにとって基地ができている証拠
3.思い切って出ていって大丈夫
4.さいごに

1.泣くのはダメなこと?

年度が変わると進級や入園などで子どもの生活環境は大きく変わります。

新しい環境になると、園へ行くのをごねる子や、園に行くまでご機嫌だったのに別れ際になると大泣きをする子も多く見られます。

保護者の方にとって、朝の子ども対応で悩むことの1つではないでしょうか。

保護者とお話をしていると「泣かれると罪悪感を感じる」「預けて早く職場に行きたいのに困る」「こんなスタートでうちの子大丈夫なんだろうか・・・」など心配の声も多くお聞きします。

保護者にとって、笑顔で朝別れられるととても安心でき、一日のスイッチも入りやすくなるのではないでしょうか。

よく「泣くのは大丈夫ですか?」と聞かれます。これについて、多くは「大丈夫ですよ」と回答します。なぜか?その理由について説明していきます。

 

2.子どもにとって基地ができている証拠

大人にとって “別れ際の大泣き”は、不安な子どもの姿に見えますが、発達心理学では“成長している証拠と考えています。

子どもは、泣くことで自分の感情、考え、気持ちなどを表現します。言葉がまだ流暢に使えない子にとって、泣くことは“自分を伝える重要なコミュニケーション手段になります。

今までの生活の中で、子どもは「自分の安全・安心基地」を築いています。

新しい環境になるとその安全・安心基地と離されるため、子どもは困惑し、体全体で自分の気持ちを表現します。その1つの行動が、朝の“別れ際の大泣き”になります。

別れ際に大泣きをすることは、子どもにとって、誰が信頼できる人や場所なのかしっかり理解していると言えます。

子どもにとって安全・安心基地をまず1つ作ることが重要です。

1つできると「困った時は基地に戻ればいい」と学べ、少しずつ様々なことに挑戦することができるようになります。

次に、基地の価値がわかると“基地を増やす”ことができます。基地が1つもできない状態の子どもは、いつも不安でいっぱいでソワソワしていたり、気になる行動を取ったりします。

心配な気持ちもありますが、“泣く=保護者との安心・安全基地ができている”とポジティブな解釈をしてみると、見え方が変わってきませんか?

3.思い切って出ていって大丈夫

ここまで読んでも「でも…すごい泣き方をうちの子はするのですが、そういう時はどうすれば良いですか?」と不安に思う保護者もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな時は“思い切って去る!”ことを保護者の方にお願いしています。

酷なように感じますが、保護者がギリギリまで側にいる場合でも、サッと去ってしまう場合でも、子どもにとっては、安全・安心基地から離されたことで、泣いて自分の気持ちを表現することに変わりません。

対応をする先生方にとっても、“子どもが気になる対象(保護者)”が見えなくなった方が、切り替えるチャンスを与えやすいのです。心配でも、去っていただいて大丈夫です。

初めは「イヤだ」「側にいてほしい」という気持ちから、大泣きをすると思いますが、分離を繰り返していくと少しずつ“離れること”を学習し「こっちにも楽しいことがある」「大丈夫」と子どもが興味や関心を広げられるようになり安定していきます。

また「時間がある時はじっくり別れの時間を取るのですが、急いでいる時はサッと去るようにしています」とお話されている保護者の方がいました。

この対応、実はNGになります。

一見優しそうな行動に見えるのですが、子ども目線で見ると「大人の時間や心の余裕次第で対応が変わる」と解釈できます。

この状態の中で育ってしまうと、子どもにとって朝の時間は“ママ・パパ次第”となるため、両親の行動を観察することに必死になってしまいます。子どもにとってもルーティンは、心の安定に繋がります

時間に余裕がないことが多い方は、朝はサッと去り、お迎えの時に笑顔で迎えに行くルーティンを築いてみるのをお勧めします。

 

4.さいごに

生活のリズムを整えるまで大人も子どもも時間がかかると思います。

子育てで大切にしてほしいことは…

“無理をしすぎない。頑張りすぎない。大人が与える愛情と子どもの欲しい愛情にズレがないか立ち止まって考えること”

ぜひ、お子さまとご家族で一歩を踏み出せますように。