クリスマスや冬休みになると、本屋さんの絵本コーナーには沢山の本が積まれ、特別な雰囲気になります。
筆者は、毎年そんな光景を見ながら絵本探しをする時間が大好きです。
今回は、絵本について紹介したいと思います。
1.絵本の魅力
2.絵本で育つもの
3.さいごに
1.絵本の魅力
電子版の絵本も増えていますが、紙の絵本の魅力は電子版では表現できない良さがあります。
①色々な楽しみ方
2歳くらいまでは、座って絵本をじっくり見ることは、なかなか難しいもの。
幼い子達は、絵本をかじる、絵本をめくった感触を楽しむ、知っている乗り物や動物を見つけて喜ぶ等、思い思いに絵本を楽しみます。
絵本の良さは、読むことだけではありません。
子どもの発達や興味に合わせて絵本の使い方は変化します。
②絵本に親しみを感じる
年齢が低い子どもを対象とした絵本は、ハードカバーや、コーティングされたもの、布製が多く、子どもが噛むことや破くことを視野に入れ作られています。
子どもと絵本のファーストステップは“親しみを感じること”です。
絵本によって、子どもが魅力に感じるポイントは異なります。舌触りや肌触りに心地よさを感じる子、色や絵に興味を惹かれる子、繰り返し出てくるフレーズが楽しい子、絵本の絵が変化するのにワクワクする子、少し年齢が高くなるとストーリーに魅力を感じる子も出てきます。
絵本との出会いで重要なことは、絵本の正しい使い方より、子どもなりの関わり方を通して絵本に親しみを感じることです。
大人は子どもが“何に興味を持っているのか”をよく見極め、子どもの興味や関心に合わせた絵本選びが必要になります。
③ストーリーを楽しむ
子どもの発達から考えると、ストーリーを楽しめるようになるのは3歳半前後からになります。
絵本で出会う登場人物達に自分を重ね、物語に合わせて一喜一憂する…そんな子どもの表情を見ると、成長を感じます。
ストーリーが楽しめるようになると、子どもの考える力、想像する力、コミュニケーション能力等多くの“認知能力”がグンと成長します。
また、紙の絵本は、頭の中で登場人物や場面を動かすため、脳へ受け身ではなく能動的な刺激を与えることにもなります。
その他にも、絵本には著者の想いやメッセージ、教訓等が含まれています。
子どもは楽しみながら、多くの道徳的知識、相手の気持ち、歴史、知識、考え方に触れることができます。
2.絵本で育つもの
絵本を通して育つものは、多くあります。今回は“絆”に焦点を当て紹介していきます。
☆絆
絵本を大人が読み聞かせる時、子ども同士で絵本を見る時など、絵本を誰かと一緒に見る行動は他者との“絆”を育てていきます。
そして、子どもにとって一緒に見る相手が“大好きな人”であれば、その絆から特別感が生まれ、気持ちが満たされる経験になります。
場や場面を共有することは、信頼関係の構築に繋がるのです。
「絵本を一緒に見て、世界を共有することで、他者との絆が生まれる」そう考えると、身近にある絵本で“絆”を築くことに魅力を感じられるのではないでしょうか。
親子の絆をつくる時、重要なポイントがあります。
それは“100%子どもと向き合う時間を確保すること”です。
子育てをしていると、つい「スマートフォンを見ながら」「料理をしながら」「何かやりながら」というように“~しながら”子どもと向き合う時間が多くなってしまいがちです。
近年、スタンフォード大学心理学部付属BINGナーサリースクール校長であり、スタンフォード大学講師のジェニファー・ウィンターズ氏が「親が手を止めて、子どもに100%向き合う時間が重要。時間が取れず3分5分と短い時間だとしても、何かをしながらではなく、子どもに100%時間を使うことに価値がある」と話しています。
大人の絵本の読み聞かせは、子どもと100%向き合う時間にはお薦めです。
子どもの表情と絵本に目線を移しながら、親しみのある優しい声で伝えられる、そんなぬくもりを感じられる時間は、子ども達にとってかけがえのない時間になるのではないでしょうか。
3.さいごに
絵本の読み聞かせを通じて、子どもは「愛されている」「満たされている」という感覚を感じられます。その中で、自信や自尊心が生まれ、「もっと知りたい」と興味や関心を持ち世界を広げていくことができるのです。
ぜひ、少しの時間を使って、子どもと一緒に絵本を眺めてながら親子の絆を育てていけたら嬉しいです。