困った後追い!理由を知って乗り切ろう!

子どもの後追いに悩む保護者も少なくないと思います。

「忙しい時に限ってくっついてくる」「2歳になったら、急に後追いをするようになった」等子どもの後追いについて戸惑う保護者の声を聞きます。

今回は、後追いについて紹介したいと思います。

目次

1.後追いとは
2.どうすれば良い?対応方法!
3.さいごに

1.後追いとは

赤ちゃんの後追いとは、保護者が自分の側から離れたり姿が見えなくなったりした時に、泣き出したり、後を追いかける行動のことです。

後追いは、子どもの中でも「この人じゃなきゃ嫌だ!」「離れたくない」等の想いがあるため、一筋縄ではいかず、対応方法に悩んでいるご家庭も多いのではないでしょうか。

後追いは“子どもの成長の証”とも言われていますが、子どもの“困った行動”として大人に受け取られてしまうことも多くあります。

 

①0歳の後追い

後追いには、2種類あります。

1つ目は、0歳に現れる後追い。これは、“信頼できる人との絆”(基本的信頼関係)が形成された後に見られる行動です。

子どもは、生まれてから約6・7ヵ月かけて生きていくために“信頼できる人”を見つけ、関係を作っていきます。“信頼できる人”になるための条件は、子どもにとって一番反応してくれて、欲求に応えてくれることが挙げられます。例えば、抱っこしてほしいと泣いた時に一番に抱いたり声を掛けたりしてくれる、お腹が空いて泣いた時に対応してくれるなどです。その対象は、お母さん、お父さんとは限りません。保育者や祖父母など、親以外が対象になることもあります。

 

子どもが大人と“信頼できる人との絆”(基本的信頼関係)が築かれると、次に「この人と離れたくない」という想いが生まれます。これが0歳の後追いの正体“情緒的絆”になります。

“情緒的絆”は、基本的信頼関係が大人とできている証拠です。

後追いで悩んでいる保護者に「しっかりと愛情がお子さまに伝わっている証拠ですよ。大変な時期もあったと思いますが、お子さまと一緒に乗り越えてきたからこその成長だと思ってください」とお伝えすることもあります。

“情緒的絆”は、発達上とても重要なステップになります。

子どもの中で「この人は安心できる人、この人はまだわからない人」と区別が出来ていることを意味します。つまり、安全基地が子どもの中にできているということです。

安全基地が子どもの中にできると“戻る場所がある”ため、子どもの世界は少しずつ広がっていきます。

 

②2歳前後の後追い

子どもが歩けるようになり、自分の世界が広がっていく1歳後半から2歳くらいになると、次の“後追い”が現れます。

この時期の後追いは、0歳の後追いの意味とは少し異なります。

大人から離れて行動できるようになったからこそ生まれる“葛藤”が要因です。

離れられるようになると「くっつきたい気持ち」と「離れたい気持ち」が生まれます。これを発達心理学者マーラーは“再接近期”と言っています。

2歳前後の後追いは、子どもが出会う“葛藤”の1つであって、色々な気持ちが子どもの中に生まれ困っている姿です。2歳前後は、まだ上手に気持ちを言葉や行動で表現することが出来ないため、たくさんもどかしさを感じていることが想像できます。

理由を知らないとつい「わがままばかり言わないで。ママも忙しいの」と一方的に怒ってしまい、後で自己嫌悪になることも少なくないと思いますが、少し子どもの理由がわかると大人側のイライラもコントロールしやすくなったり、かける声も変わってきたりするかと思います。

この時期の後追いは、2歳後半から3歳くらいには自然に落ち着くと言われています。

2歳以降の後追いについては、見られる子と見られない子が分かれると言われています。

 

2.どうすれば良い?対応方法!

0歳の頃の後追いは“情緒的な絆”が大きな背景にあり、2歳児前後の後追いは“子どもの心の葛藤”が大きな背景でした。

後追いは、どちらも“気持ちが満たされれば離れることができる”という共通点があります。

たくさん甘えさせてあげたり、大人からくっついたりすると自然と離れていきます。

しかし、実際には「忙しくてそんなことできない」「忙しい時にやってくる」「余裕がない」という保護者の方も多いと思います。

そこで重要なのは“大人が無理をしない、いつもできる「対応」や「少し特別な時間」を作る”工夫が重要になります。「対応」や「少し特別な時間」を探す時の注意として、“大人の気分で子どもへの対応を変えない”ことです。対応を大人の気分で変えてしまうと、子どもは大人の顔色を伺う状態になりやすく、安心感を手にしにくくなります。背伸びをしすぎず、自分ができる範囲で子どもへの対応を考えてみると良いでしょう。

例えば、ハグを10秒してから行動する、3分程度手を止めて関わったり話を聞く、第一声を「離れたくないよね」等子どもを受け止める言葉にする、どこに行くか言ってから離れる等のちょっとした工夫です。

その他、日常生活でヒントとして使えそうなキーワードをまとめてみました。

 

 

子どもに安心感を与える関わり方のヒント☆

 

①2人だけの特別な時間や空間をつくる(きょうだいがいた場合も、1対1)

5分、寝る前、お風呂等、ちょっとした時間でも子どもにとって特別に

なります。

 

②子どもの頑張りを認める(結果ではなく過程を褒める)

完璧にできなくても、そこまでの頑張りを認める声がけに変えてみてください。

子どもの中で自信が育ちます。

 

③時には、お休みを取る

大人が疲れすぎてしまっては、元も子もありません。

パートナーや協力してくれる人を頼って、たまには子どもと距離を置くのも

良し、家事などを任せるのも良し、自分のエネルギータンクがゼロにならない

よう気を付けてみましょう。

 

④子どもの話を向き合って聞く、伝える時は短く

2歳前後になると話し始めます。言っていることが分からなくても

「聞いているよ」という想いを態度で伝えてください。また、伝える時は

短めに伝えるのがポイントです。

 

3.さいごに

「イライラせずに子どもを育てたい」と多くの保護者が望んでいます。しかし筆者は、イライラしたことがないという保護者に出会ったことはありません。成長と共に子どもの姿も変わるため「今まではそんなことなかったのに…」と驚くことや悩むことに出会うと思います。大人だって子どもの気になる行動と直面すると「私だって、イヤだー」と叫びたくなることもあると思います。

そんな時は、まず深呼吸してください。

そして一人で悩まないでください。子どものことが分からなくなったら子どものことを知っている人や知識に触れれば突破口が見つかります。

自分に元気がなくなったら、思い切って充電してください。

子育てで大切なことは、パーフェクトを目指さないこと。自分ができる範囲でベストを尽くすよう努力することだと思います。

お子様と一緒にたくさん悩み、たくさん笑いながら過ごせますよう願っています。