変化し続ける時代で心を守るために今からできる3つの方法

こんにちは。対人関係療法を専門にカウンセリングを行っております、島崎です。

ITの発展に伴う急激な変化やキャッシュレス決済など、生活環境が大きく変わり続けていることに不安を感じている人は多いのではないでしょうか。また、今は変化に適応できていても、このまま変化が続くと時代の変化についていけないかもしれないと不安に思っている方もいると思います。

ここ数十年の変化は、「VUCA(ブーカ)時代」と言われ、めまぐるしく変わる時代をどう生きていくかがあちこちで問われ始めています。

VUCAとは

 

Volatility:変動性(変化が早い)

Uncertainty:不確実性(予測しづらい)

Complexity:複雑性(様々な要因が関係している)

Ambiguity:曖昧性(絶対的な解答や解決策のなさ)

今回は、急激に変化し続ける時代で自分の心を守る方法をお伝えしたいと思います。

目次

1.答えがないことを認める
2.対話を深める
3.様々な価値観や立場を尊重する

1.答えがないことを認める

私たちは今まで、何か問題が起きた時は迅速に答えを探し出し、対応するスキルを求められてきました。もともと人間は、状況が変わることや、慣れ親しんだことから新しいことに変わるストレスを感じやすいので、答えを見つけて早く慣れようと試みるのです。

しかし最近は、多様性を求められる時代になり「常識」の幅も広がったことで、今までの常識が通用しない戸惑いや、何を基準に考えればよいか分からず気持ちが錯綜する方もいると思います。

これからの時代は、答えを早く出す能力だけでなく、答えが出ない事態に耐える能力も必要となってきます。このような能力を「ネガティブケイパビリティ」と言います。

このスキルは、問題を解決しようと急ぐのではなく、できない状況を受け止める能力が求められます。

答えがでないことは誰もがストレスと感じますが「ネガティブケイパビリティ」という知識や言葉を知っていることで、少しは不安が軽減されると思います。

答えがでない時に無理に答えをだそうとすると、焦りが大きくなりますし、焦れば焦るほど、早まった選択をしてしまいがちですが「曖昧な状況」にいることを認め、受け止める能力を鍛えることで、曖昧な時代を生き抜く予防策となります。

2.対話を深める

「答えがでない事態に耐える」には、人の力を借りる必要があります。今まで私たちは、人と言葉を通して様々な状況を乗り越えてきました。できない状況を受け止めるためには、人と対話を深めることがとても有効です。ここでの対話とは、答えを見つけ出そうとするのではなく、お互いの意見をじっくり聞き、批判せず、尊重することを意味します。私たちは答えがでない時に、感情や考えを言葉にすることで気持ちを整理し、その思いを人と共有することで心を癒してきました。対話を通して「不安を感じているのは自分だけではない」ことが分かると、さらに心がほっとします。

しかし、不安になった時にいざ対話をしてみようと思ってもハードルが高く、何をどのように話せばいいか分からないものです。日頃から、人と話す時間を大切にして、対話の練習をしておくことが大切です。

3.様々な価値観や立場を尊重する

私たちは、不安が強い時ほど自分と違う意見に衝撃を受けやすく、人の意見を攻撃と感じたり、批判的になったりします。しかし、不安が強い時はいつもより視野が狭くなったり、いつもより偏った考えになりやすかったりします。

不安が高まってから様々な意見を聞くと考えも混乱しやすくなります。日頃から様々な考えや文化を知ることで、相手の立場を尊重しやすくなるでしょう。

これからも変化は続いていくと思いますが、答えの分からない曖昧な状況でも、人の話を丁寧に聞いたり、自分の考えを伝えたりして、お互いの意見を尊重することで心を守っていきましょう。