子どもの身近にいる大人は、いつの時代も子どもに大きな影響を与えます。
保護者や教育関係者を支援していく中で、よく皆さんに共通して伝えることがあります。
今回は、経験の中から特に“子どもがいくつになっても、大人の皆さんには大切にしてほしいこと”を3つご紹介します。
1.小さな成功を認めて、褒めて、喜んで
2.愛情という基地があることを伝える
3.ルールをお互いに守る
4.さいごに
1.小さな成功を認めて、褒めて、喜んで
人は褒められると嬉しいものです。時にはやる気を刺激され、最大限のパフォーマンスを発揮することもあります。これは子どもも大人も同じです。
人は自己肯定感を育てることで、生活の充実感に繋げられるのです。逆に、自分に自信がないと生活に意義や価値を見出すことが難しい状態になります。
自己肯定感を育てる上で、自分や周りの大切な人に認めてもらう経験、褒められる経験は重要です。
子どもは成長と共にできることが増えていきます。
そうすると次第に「できることが当たり前」になってしまい、つい褒めることが少なくなってしまうことはありませんか?
子どもが何かを習得することは、大きな一歩です。さらに、それが当たり前にできるようになるためには、実は子どもにとって多くの時間や努力が必要です。
大人にとって、“子どもができて当たり前になっていること”は、子どもにとって大きな成長の証と言えるのではないでしょうか。
大きな成功を認めるだけでなく、小さな成功を認めて、褒めて、喜んでみてください。
少しだけ子どもの努力の“過程”を大切にするだけで、子どもの力を引き出せることができます。結果として親子関係もグンと良くなるでしょう。
2.愛情という基地があることを伝える
子どもが成長していくと「ひとりでも自己決定できるように」「自分で考えられるようになるために」と、つい子どもに期待をしてしまうことはありませんか?
子どもは、少しずつ自分の世界を広げていきます。その時に子どもに伝えたいことは、“愛情という基地があること”だと思います。
実は、子どもが自立するためには、“2つの基地”が必要になります。2つの基地とは、“安心基地”と“安全基地”です。
“安心基地”は、気持ちを受け止めてもらえる、寄り添ってくれるなど安心できる場所です。
“安全基地”は、守ってもらえる、危険から回避してくれる場所です。
この2つの基地がしっかりしていると「戻れる場所がある」「失敗しても大丈夫」と子どもが感じることができ、興味や関心が外へ向きやすくなります。
子どもへの愛情の表現は、様々です。しかし忘れてはいけないことは様々な愛情表現の中から“子どもに伝わる方法を選ぶこと”です。思っているだけでは、なかなか伝わりません。
子どもに「大丈夫。いつでもどこでも側にいるよ。自信をなくしたら戻ってきていいよ」と、そっと伝えられる方法を探してみてください。
3.ルールをお互いに守る
“ルール”は、自由を制限するイメージがある人も多いと思います。
実は“ルール”は、人を縛るためにあるのではなく、折り合いをつけるためにあり、子どもの社会性を育てる上で重要なものになります。
子どもが成長してくると“ルール”が緩くなるご家庭も多いと思います。
しかし、ルールを作ることで家庭の中の折り合いがつくことも多くあります。
ルール設定をする時のコツがあります。
1つ目は守れる内容(もしくは少し頑張れば守れる内容)にすること、2つ目は大人も子どもも守ることです。
守れる内容にすることで、成功体験に繋がり意欲が沸きます。逆に守れない内容を設定すると、子どもにとって理不尽な約束になり「守ろう」という意欲は湧きにくくなってしまいます。
また、ルールは大人も子どもと同様に守ることが重要です。「大人だってやらないじゃない」となってしまうと、一気にルールは崩れていきます。
ルールは、「こうなってほしい」という大人の願いから設定するのではなく、子どもと話し合いながら決めていくことが重要です。
4.さいごに
今回の内容は、保護者、保育者、教育関係者等、子どもの身近にいる大人どなたにも大切にしてほしいと思い紹介しました。
また、子どもの対象も乳幼児だけでなく社会人になるまで、共通して使えるものになります。
子どもは、1日1日の積み重ねで成長していきます。
ぜひ、1人でも多くの子どもや大人の笑顔に繋がりますよう願っています。