『産後ドゥーラってなに?①』では、日本に産後ドゥーラが誕生するまでの歴史についてお話しました。
今回は(社)ドゥーラ協会認定の産後ドゥーラをご利用された場合、具体的にどのようなサポートを受けられるかお話したいと思います。
2.家事サポート
3.育児サポート
4.母親サポート
1.産後プランニング
初回訪問の日は、まず『産後プランニング』を行います。
どのようなお産をしたいか考える『バースプラン』と同じように、母親や父親自身がどのように産後の生活を送りたいか考えるのが『産後プランニング』です。
産後ドゥーラはただ単に家事を代行する存在ではありません。
産後の母親にとってどのようなサポートがあると、安心して赤ちゃんと過ごすことができるのか。
母親だけでなく、父親や家族全員にとってより良い産後の生活を送っていただくためにはどのようなサポートが必要なのか。
必要なサポートの内容は、ご家庭によって、そしてお一人お一人によって、異なります。
そのため『産後プランニング』では、ご要望やご不安に思われていることなど、じっくりお話をお聴きしながら、母親やご家族にとって最善のサポートをご提供できるように一緒に考えたり、ご提案したりします。
サポート内容には『家事サポート』『育児サポート』『母親サポート』があります。
2.家事サポート
料理、掃除、洗濯など日々の家事のお手伝いをさせていただきます。
「赤ちゃんが寝ている間に家事をやってから休もうと思っていたら、家事が終わった時に赤ちゃんが起きちゃって…。結局全然休めませんでした」
という声をよく聞きます。
赤ちゃんが寝ている間は母親もしっかり休めるように、家事はドゥーラにお任せください。
・料理は、お一人お一人のご要望や味の好みなどをお伺いした上で、産後の身体の回復に良い和食や野菜中心の常備菜をお作りします。
・掃除は、お風呂やトイレ、お部屋の床掃除など日常的な掃除を行います
(ただし、キッチンの換気扇や排水口などの掃除はお受けできません)。
・洗濯は、干す・たたむ・アイロンがけを行います
(ただし、血液が付着したものの処理はお受けできません)。
3.育児サポート
母親が自分の育児に自信を持ち、母親として自立できるように、産後ドゥーラは母親と赤ちゃんを優しく見守りながら、育児のお手伝いをさせていただきます。
抱っこやおむつ替え、お着換えなどの仕方をお伝えしたり、寝かしつけや沐浴を行ったりします。
特に産褥期(産後6~8週間)は骨盤や子宮がまだ妊娠前の状態まで回復していないため、母親はしっかり養生することが重要です。そのため、腰部に負担の大きい沐浴は父親や他のご家族、ドゥーラが行うようお勧めしております。
また、夜泣きなどのために夜眠れないという母親が多いのですが、睡眠不足の生活が長く続くと、体だけでなく心も疲弊し、「産後うつ病」を引き起こす要因にもなりかねません。
夜眠れない場合には、昼間しっかり眠っていただけるよう、ドゥーラが赤ちゃんをお預かりし、見守ります。
安心してお休みいただけたらと願っております。
4.母親サポート
家事や育児のサポートをさせていただくのは、ひとえに母親を心身ともにサポートさせていただくためです。
出産直後は『産後ハイ』と呼ばれる興奮状態になることがあり、つい積極的に活動してしまいがちです。
しかし出産後は子宮が大きく傷を負った状態にあり、体力も消耗しています。
産褥期に無理をしてしまうと、心身ともに疲れが蓄積し、「産後うつ病」になってしまうこともあります。
大切な産褥期にしっかり休めるよう、ドゥーラが寄り添います。
また、初めての出産の場合には「これでいいのかな?」と育児に不安を感じることが多々あります。
二人目、三人目の出産の場合には、兄姉の赤ちゃん返りや家族が増えたことによる生活リズムの変化などで戸惑いやイライラが募ることもあるでしょう。
そんな時には、少しでも母親の不安な気持ちが緩和するよう、お話をお聴きします。
現在、北海道から九州の31都道府県で700人以上の認定産後ドゥーラが活動していますが、それぞれ個人事業主として活動しているため、活動時間やサポート料金などはドゥーラによって異なります。
また、自治体と提携し、助成金や補助金によって安く利用できる地域も年々増えています。ぜひご自分の地域で利用できるか調べてみてください。
母親一人が育児の不安や家事負担を背負い込もうとせず、自分らしく赤ちゃんと向き合い、暮らせますよう・・・。
産後ドゥーラとしてお手伝いできましたら幸いです。
参考・引用文献
https://www.doulajapan.com 一般社団法人ドゥーラ協会