「不機嫌な自分」から抜け出す3つ方法

こんにちは。対人関係療法を専門にカウンセリングを行っています、島崎です。

「不機嫌」とは人間がもっている感情の中でも、誰もが経験をし、厄介さを感じる感情だと思います。
「不機嫌」と一言で言っても、理由があって不機嫌になる時もあれば、自分でも理由が分からず不機嫌になる時もあると思います。
「不機嫌」な時は、その状態をどうにかしようと意識が向きますので「自分の良さが発揮できない」ことが厄介なところだと思います。
自分の機嫌をコントロールできないやるせなさや、人に当たってしまい罪悪感に苛まれるなど、負のスパイラルに陥りやすいのも特徴の1つだと思います。

人間に感情がある以上、一生「不機嫌」にならずに生きてゆくことはできませんが、その時の考え方や対処法が分かっていると、今よりも自分に安心感を持って過ごせると思います。

今回は「不機嫌な自分」から抜け出す3つの方法をお伝えしたいと思います。

目次

1.自分の状態を正しく把握する
2.ペースをもどす方法を手に入れる
3.自分の状況を人に説明するコツ

 

1. 自分の状態を正しく把握する

「不機嫌」になる時の理由はその時々によって違うと思います。しかし「不機嫌」になる時は必ず理由があります。まずは、自分の状態を把握することが大切です。
「不機嫌」になる理由は、一時的な時もあれば、持続的に続く時もあります。

一時的な「不機嫌」であれば、時間が経つことで落ち着いてきたり、リフレッシュをすることで気持ちを持ち直せたりすることが多いと思います。一時的に「不機嫌」になったとしても、自分で気持ちをコントロールし持ち直せる場合は、自分の状態によく対応できていると思います。
しかし、「不機嫌」が長期的に持続する場合や、頻繁に「不機嫌」になってしまう場合は、もう少し自分の状態をみていくことが大切でしょう。

○「不機嫌」とはどのような時に起こるのでしょうか?
・一時的に不機嫌な時:思い通りにならない時や、予期しない嫌な出来事があった時など
・コンディションが悪い時:体調が優れない時や、慣れない環境におかれている時など
コンディションが悪い時は、いつもと同じように元気にふるまうエネルギーがないので、周囲から「不機嫌に見られる」というほうがしっくりくるかもしれません。
・継続的に不機嫌が続いている時:生活の基盤が安定していない時、現状に不満があり解決ができない時など

どの「不機嫌」も「いつもの自分が発揮できない」環境にいることが分かります。

また、生活リズムをチェックしてみると、寝不足や休みの前の疲れなどが理由な場合もありますし、空腹や湿度によって「不機嫌」になる時、ホルモンバランスの乱れによる場合もあります。

「不機嫌な自分」から抜け出すためには、まずは、自分がどうして「不機嫌」なのかを把握できるようにしましょう。

2. ペースをもどす方法を手に入れる

「不機嫌な時」はいつも通りの自分ではなく、何かの理由で自分のペースが乱されている時です。「不機嫌」になった事情を把握した後は、自分のペースを取り戻すための対処法を考えてみましょう。

① 持続的に「不機嫌」が続いている場合
持続的に「不機嫌」が続いている場合は、現状を変えるように動き出すことを検討してもよいと思います。

Aさんの場合

仕事の拘束時間が長く疲労困ぱいだが、家に帰ると家族から家にいないことの不満を言われる。残業しないと生活も厳しくなるのでどうすることもできない。

どこにいてもほっとできず、職場でも家でも「不機嫌」な態度で接してしまう。

例えばAさんのように、自分が働かなければ生活ができないので必死に働いているのに、家に帰ると家族から不満を言われるような場合であれば「不機嫌」になって当然だと思います。一見、どうしようもない状況に感じますが、この状況が続くと正常な判断が難しくなってきますし「不機嫌」な態度でいることで周囲の協力も得られにくくなると思います。
少しでもAさんの良さを取り戻すためには、どうしたら良いのでしょうか?

持続的に「不機嫌」になる時にまず試してほしいことは、まず「不機嫌」であることを認めることです。そして、何が自分を苦しめているのかを整理し、環境を変えるために大切な人と話し合ってください
話し合う時は「あなたのせいで不機嫌になっている」という言い方ではなく、事情を言葉にしましょう。Aさんの場合ですと「働かないとお金がないと思って一生懸命残業もしてきたけど、体力的に辛い。家族との時間を大切にしたいのに、その時間もとれず申し訳なく思っている。どうにかしたいと思っているけど、どうすれば良いか分からない。一緒に考えてほしい」という感じでしょうか。

もちろん、ずっと不機嫌な態度をとってきたわけですから、もしかしたら相手に嫌味を言われるかもしれません。しかし、あなたが困っているのだと分かった時に、相手がどのような反応になるかは伝えてみてからでないと分かりません。
もちろん相手にも気持ちを整理する時間は必要だと思いますから、言った瞬間に良い反応ではないかもしれませんが「不機嫌」の理由が分かることは相手にとっても意味があることだと思います。
これ以上苦しまないために、あなたの良さが発揮できる環境を整えていきましょう。

② 頻繁に「不機嫌」になる場合
頻繁に「不機嫌」になる場合は、自分が求めている理想と現状に差がある可能性があります。
自分が思うようにできなくて不機嫌になる時は、『自分の理想としていること』と『自分の能力』を再検討する時期かもしれません。
「頑張らなくては」と感じている人ほど、自分の能力以上のことを必死でこなそうとし、自分を追い詰めている可能性が高いです。そのような状況にいると、他人と比べやすくなったり、自分よりも頑張っていないように見える人に苛立ったりします。
そのような時は、自分は無理をしていないか何が自分にとって辛いのかを考え、それを続けることは自分にとって可能なのか、もしくは人に対して苛立つ場合は、相手に求めることは適切なのかも含めて整理してみると、他の選択肢が見えてくるかもしれません。

「不機嫌」になる時は、自分の限界を迎えている時なので、すぐに機嫌が治る方法を教えてほしいと思うと思いますが、根本的な癖を直していくためには試行錯誤する必要がありますし、納得する自分の対処法が見つかるまでは時間もかかると思います。
自分で納得のいく方法がみつけてこそ、人は自分への信頼感を得ていけます。
誰もが時間をかけて自分の取り扱い説明書を作っていきます。質の高い取り扱い説明書を作っていきましょう。

3. 自分の状況を人に説明するコツ

「不機嫌な自分」をコントロールできない時は、自分の事情を伝えておくこと、人から物理的に距離をとることが自分を嫌いにならない方法の1つです。ネガティブな感情は伝染しやすいので、せめて、伝染しないように工夫することはとても意味のあることです。
「不機嫌」な感情には意味がありますので「不機嫌」が落ち着くまで待ったほうがいい時もありますし、解決するように行動したほうがいい時もあると思います。どちらにしても、一瞬で治ることは誰でも難しいです。
「不機嫌」な時に、無理に機嫌良くふるまおうとしても、自分の良さを発揮するよりも、感情を抑えるほうに気持ちが向いてしまいます。
そのため「事情」を相手に伝えて、相手に八つ当たりしてしまいそうな時は、人から離れて自分のために時間を使っていいことを知っていてください。
「事情」を伝える時は「仕事がいっぱいいっぱいで余裕がないから、今日はピリピリしているかも。あなたに怒っているわけじゃないからね」、「今日嫌なことがあって、まだイライラしているんだよね。しばらく不機嫌だと思う。ごめんね」など、簡単に事情を話しておくことで、相手に誤解されずに済むでしょう。
職場の人には良い部分だけを見せたほうが良いと思っている人もいると思いますが、人間に感情がある以上、いつもベストコンディションでいることはとても難しいです。周りの人が困るのは「不機嫌」であることではなく「不機嫌」である理由が分からず、どのように対応すれば良いか分からないことのほうが大きいでしょう。

最後に…
自分ではどうにもできない時は、人に相談する方法を知っていてください。
誰かに相談する時は、自分にとって安心できる人かどうかを考えて相談してください。もし、身近な相手では話しづらいという方は、電話相談や、カウンセリングなど、自分のことを知らない人や専門家に話を聞いてもらう選択肢もあります。

少しでもあなたの良さが発揮できることを願って。