対人関係療法を受けよう

こんにちは。対人関係療法を専門にカウンセリングをしています、島崎です。

今日は、筆者が“カウンセリングを受けたい”と思われている方から質問される内容ベスト3以内に輝く、
「そもそもカウンセリングってどんなことをするの?」

という質問に、対人関係療法治療者として、お答えしたいと思います。

ここでお話しするカウンセリングの方法は対人関係療法の方法ですので、違う療法を専門とされているカウンセラーの場合、方法が異なりますのでご理解のほどお願いします

対人関係療法とは

対人関係療法は、うつ病、摂食障害などの精神的な病気の治療に科学的根拠があるとされている精神療法です。

カウンセリングの中では、

1. 感じているストレスや症状が発症した時の状況を整理する。
また、症状がどのような理由で続いているか整理する。
→カウンセリングで一緒に振り返っていくことで、気づかなかったストレスの要因が見えてきます。

 

2. 身近な対人関係を整理してみる。
→ストレスを感じている人があなたにとってどれくらい重要なのかを考えていきます。

 

3. 対人関係の中での悩みを整理し、大切な人との関係性を見つめてみる。
→コミュニケーションの質、コミュニケーションのズレ、期待値の確認をしていきます。

 

4. 大切な人とのコミュニケーションを再調整する。
→どのように伝えると相手を傷つけずに自分の気持ちを伝えられるか、どのようなタイミング、場所で話をすると相手と話しやすいかなどを話し合います。また、ご自身の気持ちを伝えた時の相手の反応を予測しながら、ロールプレイ(カウンセラーが相手の役を演じ、実際の雰囲気を想像しながら練習すること)をします。

に取り組みます。

一見、必要がないと思われる方も、大切な人との関係の変化は難しいと思われる方も、対人関係療法を受けてみると、意外なストレスに気がつくことがあります。
なぜなら、コミュニケーションを見つめ返すことは、ご自身の心に目を向ける必要があるからです。
つまり、今まで気づかなかった、もしくは気づかないようにしていた気持ちが分かるようになってきます。
対人関係の中でご自身が感じた気持ちを整理していくことで、対人関係の変化だけでなく、ご自身を大切にできるようになってきます。

対人関係の難しさや苦しさを感じている人の多くは、「自分が悪い」「忍耐力がない」「私が我慢すれば」「コミュニケーションスキルがない」などと言います。

筆者は、人は人によって癒されると信じています。

“あなたが我慢する”という方法ではなく、新しいかかわり方を一度一緒に考えてみませんか?
コミュニケーションの方法が分からないという方も、一緒に考えていけばいいのです。

どうか1人で悩まないでください。

対人関係療法を日本に紹介してくださった、筆者が尊敬してやまない水島広子先生は、対人関係療法について、
「人間を好きになれる」治療法』(水島,2011)と述べています。

病気があるない関係なく、「生きづらい」と感じる人は多いのではないかと思います。

対人関係療法を受けることによって、
人とのかかわりの中で生きづらさを感じる多くの人が、
人に癒され、また、ありのままの自分を受け入れられることを願っています。

少しでも多くの方に、対人関係療法のイメージが伝わることを祈って

引用文献
水島広子 2011 対人関係療法で改善する夫婦・パートナー関係 創元社